今回はエンディングノートの活用の仕方を説明していきたいと思います。
世間的にはかなり認知度か高まってきたエンディングノート。
上手く活用できれば、立派な終活、相続対策、認知症対策になりますが、使い方を間違えるとトラブルを起こしてしまいます。
トラブルを起こさない為にも、エンディングノートのメリット、デメリットを把握して、有効に活用してもらえればと思います。
エンディングノートとは?
年々認知度が高まってるとはいえ、まだ見たことない方や、聞いたことない方もいると思いますので、簡単に説明します。
エンディングノートとは、自分にもしもの時が来た時に備えて、認知症・介護・医療・葬儀・お墓・相続などの分野ついて、自分の考えを家族や残される人のために書き記しておくノートです。
本屋に行くと色々なエンディングノートが並んでいるので、一度目を通していただくと、エンディングノートがどんなものか理解しやすくなると思います。
離れている家族や、なかなか本音を言えない人に向けて、自分の素直な気持ちを伝える手段としても優れています。
例えば、葬儀の時に連絡して欲しい人の連絡先リスト、終末期の医療、死後の臓器提供、加入している保険の記録、お墓のことなど、残された家族が相続手続きや、事務作業で困らない様に、記録しておくことができます。
他にも介護の希望や、介護費用をどうするのか、かかりつけの病院、葬儀の細かい段取りなども書いておくと家族は助かるでしょう。
現代だとインターネット関係の契約先やパスワード、取引のあるネット銀行などの情報も残しておくのが良いかなと思います。
このように自分の大切な情報や、希望を伝えれる点でエンディングノートはとても優れています。
このノート1冊あれば、家族が困らないという所まで作り込むこともできます。
半面、書き方によっては家族が困ってしまう状況も考えられます。
エンディングノート作成の注意点
エンディングノートは内容も多岐にわたるため、これを作ってしまえばもう安心と思ってしまう方も多いかなと思います。
実はエンディングノートには法的な効力は一切ありません。
法的な効力が一切ないということは、エンディングノートに書かれている葬儀の希望などを、無視しても何にも問題はないということです。
例えば遺言などは、法的に有効な作成の仕方をすれば、その通りの効果が発生します。周りの人がそれを無視することはできません。
それに対してエンディングノートはただのノートです。
仮にエンディングノートに財産の分け方などを指示していても、法的な効力はありませんので、相続人が全く違う内容の遺産分割協議をしても、全く問題はなく、遺産分割協議が有効になります。
この様に、エンディングノートはあくまでも本人の希望が記載してある、ノートでしかありません。
もちろん家族が意思を尊重して、その通りに動いてくれることのが多いと思います。
ですが財産の分け方など、法律的に重要な事項をエンディングノートに書いてしまうことで、逆に遺産分割協議が揉めてしまうこともあると思います。
エンディングノートを作った意思とは違う結果ですよね?
こうならない為にも、エンディングノートには法的効果がないこと、家族の行動を制限することが出来ない事を理解した上で、エンディングノート作る必要があります。
エンディングノートの活用方法
ではどんな風に作っていけば良いのか?
私なりの考えをお伝えします。
自分以外が知らない情報で、知らないと家族が困ってしまう情報を優先的に記載しましょう。
例えばインターネットを通じて課金されているサイトや、ネット銀行。
また葬儀に呼んだり、訃報を伝えたい友人知人の連絡先。
このような情報は、一緒に生活してても分かりませんので、優先的に記載して欲しい内容です。
後はご家族への気持ちです。
これが一番重要かもしれません。
なかなか恥ずかしくて言えない感謝の気持ちなども、文章であったら伝えれるかも知れません。
最後に、エンディングノートを作成したことは、家族に知らすべきです。内容は見せなくても大丈夫です。
そういったノートがあるんだということで、もしもの時に家族はとても安心できます。
なかなか自分の亡き後のことを考えて、エンディングノートを作るのは大変ですが、大変さを乗り越えると、大切な家族に迷惑をかけないことができますので、是非エンディングノートの作成を検討してみて下さい。