相続税の基本~相続発生の際に検討すること

相続と聞くと、相続税を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

今回の記事では相続税の基本的な考え方をお伝えします。

相続税の詳しい内容は、税理士の先生の専門分野になりますので、あくまで基本事項となります。

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相続税とは

相続税は人の死亡が発生して、財産が移転したことにより、その財産を受け取った方に課税される税金になります。

 

相続が発生すると、すべての相続に相続税がかかる様に思われますが、実際は一定の金額以上を相続する際に発生します。

 

色々細かい規定がありますが、今回の記事では、身内に相続が発生した際に、税理士の先生への相談が必要になる基準的なものを説明していきたいと思います。

 

税理士への相談目安

相続財産の調査

相続税を考えるには、まず相続財産の調査が必要になります。

故人の財産をすべてを洗い出す作業です。

具体的には

・各金融機関(銀行、証券会社等)の口座残高調査~相続人が把握している口座だけでなく、口座があると考えれるすべての調査が必要になります。

※家族に内緒で銀行の貸金庫に株券を持っている場合などもあり得ます。

・故人名義の不動産の調査~住んでいる土地建物だけでなく、前面道路や、地方に持っている土地などすべての調査が必要です。

名寄帳を取得しましょう。

名寄帳とは、その人が市町村内に所有している課税固定資産の一覧です。
複数の市町村に不動産を所有している場合は、各市町村で取得が必要です。
名寄帳を見る事で不動産の漏れを防ぐことができます。

注意点として名寄帳は課税される不動産しか記載されてない場合もありますので、課税されていない不動産(未登記など)は、記載がない可能性があります。

不動産謄本の取得をして調査をします。
ここでは詳しく説明しませんが、共同担保目録付きの謄本の取得をおすすめします。

・生命保険も確認~生命保険金は相続財産ではなく、受取人固有の財産ですが、相続税算定にはみなし相続財産として、金額の確認が必要です。
・自宅にあるタンス預金である現金、動産(宝石など)なでも、調査が必要です。

上記の調査から相続財産の総額を割り出します。

 

相続人の調査

法定相続人の数が重要になります。

 

法定相続人とは、民法で定められた相続法に基づく相続人です。
遺言で財産受け取らない人がいるとかは関係ありません。

 

戸籍から把握できる、相続人の数を割り出します。

 

これは相続手続きで必要な故人の出生から死亡までの戸籍を集めて、調査します。

 

相続税がかからない場合

相続財産が一定の金額以下の場合は相続税の申告は必要ありません。

 

一定の金額とはいくらか?

3000万円+相続人の数×600万

上記計算式で出した金額より相続財産の合計が少なければ、相続税のことを考える必要はありません。

 

例えば、夫が亡くなり、相続人が妻と子供2人の場合

3000万円+3(妻、子供2人)×600万=4800万

相続財産が4800万以下の場合は相続税がかかりません。

 

相続人が一人だけの場合

3000万円+1×600万円=3600万円

相続財産が3600万以下の場合は、相続税がかかりません。

 

相続人が5人いる場合

3000万円+5×600万=6000万円

相続財産が6000万以下の場合は、相続税がかかりません。

 

相続税の仕組みは上記の様になっています。

 

皆さんの身内で相続が発生した際に、相続財産の調査と相続人の数が確定した時に、財産価格があからさまに、上記計算式に満たない場合は、税理士への相談も必要ありません。

 

ただあからさまに価格が超える場合と、超えるかどうか際どい金額の時は、税理士の先生に相談しましょう。

 

超えないと勝手に判断して相続税申告をしないと、使えるはずの相続税控除が使えなかったり、税金逃れと見られてしまう可能性もありますので。

 

また遺産分割は、相続税が発生する可能性がある場合は、税理士の先生にも相談しておこないましょう。

 

遺産分割の仕方で相続税の金額も変わってきます。
妻が相続する場合と、息子が相続する場合でも税額は変わります。
誰が相続するかにもよって、使える控除額などが違ってくるからです。

 

まとめ

相続税の申告は、すべての相続に必要になるわけではありません。

相続財産の額、相続人の数、遺産分割の仕方にもよって、変わってきます。

相続人の数、財産を把握した時点で、税理士に相談する目安にしましょう。

 

最後に遺言書作成する際も、相続税の検討が必要になる場合があります。
遺言書作成する予定の方は、税理士に相談する必要がある場合もあるので、注意が必要です。