終活の一環として不動産の生前処分をするというお話を最近よく聞くようになりました。
衣食住というくらい人間の生活に密着しているのが不動産です。
大切に家族と暮らして手を入れてきた自宅。
それはとても思い入れも強いでしょう。
10年後の自分を想像してみてください
「10年後、あなたはどういう状況でどういうところに住んでいたいですか?」と聞かれると今の家に住み続けるから大丈夫と言える人がどれくらいいるでしょうか。
介護をしてもらえる人はいますか?
頼ることができる親族は近くに住んでいますか?
車が運転できなくても買い物ができるスーパーやかかりつけの医院などにすぐにいくことができますか?
10年後も今と同じように階段を上り下りできますか?
10年後のご自身を想像した時にどのようなところに住むことが一番自分自身にも周りの人たちにも迷惑が掛からないかを考えてみることもいいでしょう。
今の家の階段にてすりをつけたり、お風呂をバリアフリーに変更したり家に手をかけて住み続ける方も。
はたまた、今の家が不便だからもう少し過ごしやすい駅の近くに住み替えるという方もいらっしゃいます。
さらに、今の自宅では今後はもう住み続けることが難しくなるだろうと判断して早々に売却して施設やサービス付高齢者住宅などに転居される方もいらっしゃいます。
終の棲家をどう考えるか
「じゃあ、どうすればいいのでしょうか?」
という質問に対しては
「どうしたいと思われますか?」
という風に、ご本人様のご希望や夢を丁寧に聞いていくことしかできません。
終活とは、第一にご自身の今後の生活について考えて、第二に残された家族のことを考えて迷惑をかけないようにすることが重要です。
ですので、人それぞれにそれぞれの終活がありすべてがオーダーメイドでなければならないのです。
そして、ご自身がどのように過ごしたいのかという希望を実現するだけ資産があるか自分の財産を棚卸しすることが必要です。
預貯金などで今後の老後の生活も安泰だというのであるなら、自宅をわざわざ売却する必要性は低いかと思います。
しかし、自宅以外目立った財産がないのであるならば、自宅を担保に入れるという手法や、自宅を売却するということも視野に入れて今後の人生設計をたてるべきです。
何よりも健やかに生き続けるということが一番大切なのはいうまでもないことですが、それとともに「親族を含め誰にも迷惑をかけたくない」というお考えをお持ちの方々が最近は特に多いと感じます。
不動産の棚卸、つまりいったいいくらくらいで売れるのか?という価値を出すことは専門家でなくてはできません。
自分の人生をふりかえり、これからの人生を謳歌するためにも一度ご自身の財産の棚卸をしてみることをおすすめします。