相続手続きで困ること①~取引金融機関がわからない~

相続手続きの途中でなかなか前に進めずに困っている方は本当に多いです。今回からシリーズで実際に相続手続きでどのようなことに困っているのか紹介します。

第一回は「取引金融機関がわからない」について解説します。

 

意外と取引金融機関はわからない

被相続人がどのような金融機関と取引しているかは意外とわからないものです。どのようなケースで金融機関の取引がわからないことが多いのかと対処法について解説します。

被相続人との関係が疎遠な場合

被相続人との関係が疎遠なケースでは、金融機関との取引が分からないケースが多いです。例えば、親が被相続人の場合で実家に頻繁に出入りしている場合は、通帳や証書をどこに保管しているかわかるケースが多いでしょう。

しかし、兄弟や叔父・叔母が被相続人の場合、普段自宅に出入りすることがないため、大切な書類を保管している場所が分からないケースが多いでしょう。

このようなケースでは相続発生後に届く郵便物をくまなくチェックすることで、ある程度金融機関が判明します。

金融機関によっては定期的に郵送物を送ってくることがありますので、郵送物が送られてきたら金融機関に取引があったかどうか確認するようにしましょう。

ネット銀行やネット証券で取引している場合

ネット銀行やネット証券は通帳や証書などがなく、送られてくる郵送物も少ないため、身近な家族でも取引が分からないケースが多いです。場合によっては家族に内緒でへそくりをためているケースも少なくありません。

このようなケースも非常に取引金融機関を探すことは難しいでしょう。このようなケースではインターネットのお気に入りやスマホのアプリ、メールを確認することをおすすめします。ネット銀行やネット証券からはメールで取引の確認やキャンペーンの案内が届くことが多く、メールが見られるのであれば、金融機関からメールが届いていないか確認してみましょう。

生前に財産目録を作っておくと便利

亡くなってから被相続人の取引金融機関がわからないと相続人は苦労して探すことになります。そうならないために、生前に財産目録をつくっておくと便利です。

財産目録とは金融機関名や支店名、おおよその残高を記しておくもので、相続発生後に財産目録を参考に相続手続きをすすめることができます。

財産目録には金融機関だけでなく、不動産や生命保険などあらゆる資産をのせておくようにしましょう。評価額もあわせて記載しておくことで、遺産分割協議の参考になりますし、相続税の概算もすることができます。