不動産が「負」動産??

 

相続の遺産というと預貯金や有価証券そして不動産などを思い浮かべます。

しかし、相続財産の中には借金などの負債なども含まれていますので、相続するかどうかどのように分配するかは慎重に決める必要があります。

 

ただ、不動産と言ってもいい不動産もあればそうでない不動産もあります。

 

今回は意外と多い相続した不動産の悩みについてお話します。

 

田舎の不動産を相続してしまった

都市部にお住まいの方の中で親の不動産を相続したというご相談を受けます。

 

どうやら相続した不動産が田舎の不動産で中には田畑などの農地や山林なども含まれているようです。

 

将来的に田舎に戻るのであればいいのですが、そうでない場合は維持・管理が大変です。ただ、最近は各自治体で空き家バンク等、賃貸や売買をあっせんしてくれる制度もあります。

 

しかしながら、処分や賃貸もうまくいかないケースの方が多いのは確かです。

 

住んでいた両親が近隣の方々とお付き合いがある場合や親族が近くに住んでいる場合は家屋や田畑の手入れをしてもらえる場合もありますが、そうでない場合、自身で維持・管理をしていかなければなりません。

 

古い家屋だったら倒壊の危険もあります。そうなる前に補修あるいは解体するにしてもいずれにしても費用がかかります。

 

また、都市部と違ってそこまで高額であるとは言えませんが、毎年の固定資産税も納付しなければなりません。

 

自治体は助けてくれないか??

ご相談をいただく方の中には自治体に寄付をしたいという方もいらっしゃいます。

しかし、よっぽど文化財的に重要であるとかなら別ですが、寄付するといっても受け取ってもらえる自治体は少ないといえます。

 

理由は簡単です。自治体としても処分に困るからです。

 

それならば受け取らないで毎年の固定資産税を所有者に支払ってもらっていたほうが自治体としては助かります。

 

困っている方は意外と多い

このように空き家や土地の問題は実は数多くあります。では、相続登記をしない方がいいのかというと、そうではありません。

 

相続登記をきちんとしておかずに放ったらかしにしていると次世代、次世代に相続は受け継がれ、どんどん相続は複雑になっていくからです。

 

少し話は外れますが、日本全国に所有者がどこにいるかわからない所有者不明土地が全国で約410万ヘクタールの面積を占めると推計されています。これは367.5万ヘクタールの九州本土を大きく上回る面積です。

 

この結果は相続を放置した結果も少なからず原因となっていると思われます。

 

実際のところ不動産と言っても同じものが何一つないので画一的にこうするのが正解という答えを出すことができないのが実情です。今後も増え続ける大きな問題の一つだと思われます。