清算型遺言がのこされていたら

清算型遺言とは遺言の種類の中の一つです。

 

通常遺言と言いますと、「誰になにを残す」というように記載されているケースがほとんどです。例えば「長男には実家の不動産」「二男にはA銀行の預貯金」などと具体的に定められています。

 

清算型遺言も最終的に誰に何を残すのかという遺言の昨日は一緒なのですが、すべての財産を現金化(清算)してそのお金を誰にどれだけ与えるかという遺言です。

 

預貯金等はすべて解約していくことで分配することはできますが、不動産などは誰かが代表して売却することがほとんどです。

 

このような清算型遺言の場合には遺言にて遺言執行者が選任されているケースがほとんどですが、遺言執行者が選任されていない場合、あるいは就任してもらえないケースでは、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申し立てをして任意の遺言執行者を定めてすべての手続きを任せる方が相続人の手間にはなりません。

 

遺言執行者の職務

遺言執行者は相続人の代理人とされ、遺言に記載されたように遺産を分配する権限が与えられます。

不動産がある場合には相続人全員名義に相続登記を行い、また買主の選定、買主との売買契約の締結、買主への所有権移転登記を申請することになります。

 

実際には不動産会社と媒介契約を締結し買主は不動産会社が見つけてくれますので相続人と不動産会社との懸け橋となるようなイメージです。

 

買主が決定すれば、相続人の代理人として不動産の売買契約を締結します。そして、手付金の受け取り、仲介手数料の支払いを行います。

 

残代金の決済時には残代金の受け取り、登記手数料や仲介手数料などの支払い、固定資産税の清算金などを受領します。

 

口座を遺言執行用の口座に

遺言執行をするにあたり専門家がなるケースがほとんどですがそうでない親族の方がなされるケースもあります。

 

遺産の分配に当たり各種金融機関の口座の預貯金を解約し、株などの有価証券も随時相続手続きののちに現金化していくことになります。

 

その際には必ずご自身の財産と遺産の預り金の口座とを分別する必要があります。

 

不動産の売買代金なども預り金口座に入金し、必要な仲介手数料などもこちらの預り金から支払う必要があります。

 

最終遺産の目録を作成し、それらを遺言に記載されたとおりに分配していきます。

                          

今回はあまり耳慣れない清算型遺言についてお話をさせていただきました。

未婚率の上昇や子どもがいない家族の増加につれて兄弟姉妹が相続人になるケースが多々あります。

 

 

最終的に現金化して分けてくださいというシンプルな思いを伝えるのが清算型遺言ですので、気になった方はぜひ近くの専門家にご相談ください。