相続登記を自分で行う場合のメリット・デメリット

前回の記事では相続手続きを自分で行う方法について解説しました。

 

今回は相続登記を自分で行う場合のメリット・デメリットを詳しく解説し、相続手続きの中でも専門家にまかせた方がよい手続きは何か、紹介したいと思います。

 

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相続登記を自分で行う場合のメリット・デメリット

相続手続きを自分でするかどうかを決めるには、自分で行う場合のメリットとデメリットを洗い出して比較することがポイントのひとつです。


ここでは、相続手続きを自分でするメリットとデメリットについて説明します。

 

相続手続きを自分でするメリット

相続手続きを自分でするメリットは「費用負担を軽減できること」です。

 

相続手続きの中でも不動産の名義変更(相続登記)は法律の知識を要する手続きです。


金融機関の預金などの相続手続きはできても、不動産の相続手続きは難しいため挫折するというケースが少なくありません。

 

そのため、不動産の相続手続きについては、司法書士などの専門家に依頼して手続きを代理してもらうのが一般的です。

 

ただ、司法書士に不動産の相続手続きを依頼すると、司法書士に支払う報酬が必要になります。


自分で相続手続きをする場合には、司法書士に支払う報酬がなくなるため、相続手続きにかかる費用負担を軽減できます。

 

弁護士や税理士などに相続手続きを依頼する場合も、相続手続きのボリュームや依頼内容に応じて報酬が発生します。

 

自分で相続手続き全般をこなせば、弁護士や税理士といった専門家に支払う報酬も発生しません。

 

相続手続きを自分でするデメリット

相続手続きを自分でするデメリットはふたつあります。
ひとつは「時間がかかること」、もうひとつは「手続きミスが起きること」です。

 

相続手続きを自分でする場合、被相続人が契約していたサービスの解約といった比較的簡単な手続きなら自分でも問題なくできるかもしれません。

 

しかし、不動産の相続手続きである相続登記などは法律の専門知識を要するので、法的な知識や実務経験がないと、自分で専門書などを読んでゼロから法律や相続手続きの勉強をしながら進めなければいけないでしょう。

 

そうなると、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するより手続きに時間がかかってしまいます。

 

相続手続きの中には相続税申告や相続放棄など、期限が決まっている手続きもあります。

 

自分で相続手続きをすると、書類の準備から手続きまですべて自分で行うため、期限に間に合わない可能性もあります。

 

期限に間に合うに準備を進めるのは手間と時間かかります。相続手続きが私生活を圧迫するというひともデメリットのひとつといえます。

 

相続手続きを自分でする場合は、専門知識や実務経験のなさから、手続きミスを引き起こすことも考えられます。

 

専門家であれば難しい相続手続きにも慣れていますが、個人の場合は専門家のような慣れや知識はありません。

 

そのため、手続きミスで何度も窓口に呼ばれたり、そもそも手続き自体ができなかったりするなどの事態が起きうるのです。

 

専門家にまかせたほうがよい相続手続きとは

自分で相続手続きをせず専門家に相続手続きをまかせた方がよいのは「専門的な知識や実務経験を要する相続手続き」です。

 

不動産の相続登記は、登記情報や戸籍を読む知識が必要になる他、法律の深い知識も必要になります。

 

相続税の申告手続きや、相続人同士でトラブルになったときの遺産分割調停などの裁判所手続きなどは、自分で相続手続きを進めるとミスをする可能性があります。

 

専門的な知識を要する手続きなどは専門家にまかせた方が安全ではないでしょうか。

 

この他には、相続人が見つからない場合や遺産がどこにあるかわからないなど、自分での対処が難しいケースでは専門家を頼る方がスムーズかつミスなく相続手続きが進みます。

 

 

 

相続手続きを自分で行えば、費用がかからないというメリットがあります。

 

しかし、手続きの中には期限が決まっているものもあり、間に合わせるためにはプライベートの時間を取られてしまい、つらいと感じることもあるでしょう。

 

自分で相続手続きをするかどうかはデメリットについて慎重に考えて判断することをおすすめします。

 

専門家に相続手続きを依頼すれば、相続手続きが遅れたり相続手続きでミスすることもなく、スムーズに必要な手続きを終わらせてもらえます。

 

相続が発生したら、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。