現在は3人に1人が離婚する時代となっています。
離婚をすることが昔より一般的になっている現在、今までより離婚後の相続手続きで問題になるケースが増えてくる可能性があります。
今回は離婚のご経験がある方の相続手続きについて、今後発生するであろう問題点を家族構成によって検討します。
独身で死亡・前妻との間に子どもがいる
離婚後は誰とも結婚せずに独身のまま死亡。
前妻との間に子どもがいたが離婚後まったく連絡をとっていないことはよくあります。
その場合、前妻との間との子が相続人になりますので、まずは子と連絡をとるようにしなければなりません。
死後の相続手続きとして戸籍調査から住所の特定をしていく必要があります。
また、結婚はしなくとも内縁関係の人がいて、内縁の方に財産を渡したいというのであるならば、必ず遺言を残しておくようにしましょう。
なぜなら内縁関係には相続権がありませんので、今回のケースではすべて子に相続財産がいき、内縁の妻、あるいは夫は財産がもらえないからです。
前妻との間に子あり。後妻との間にも子あり。
このケースでは、前妻との間の子、および後妻と、後妻との間の子がそれぞれ相続人となります。
どのように財産を分けてほしいかはご本人の意思次第ですが、遺言などなくそのまま亡くなられてしまったら、死後、相続人間で争いがおこることが容易に想定できます。
遺言がなく亡くなられた場合、預貯金の分配や不動産の名義を変更するにしても必ず前妻との間の子の協力が必要となるからです。
特に、前妻との間の子がまだ未成年のうちに亡くなられてしまった場合には、法定代理人として前妻が遺産分割のテーブルに立つことになり紛争となる可能性が極めて高くなります。
若いうちに亡くなることは想定しがたいですが、何が起こるかわからないのが人生ですので、少しでも不安がある方は遺言を作成しておいたほうが安心かと思います。
離婚後婚姻した後妻に連れ子がいる
再婚した後妻も離婚を経験し、前夫との間の子どもを連れて一緒に住んでいるということもあります。
この場合、連れ子をいくらかわいがり、実の子どものように扱っていても連れ子は相続人にはなりません。
遺産をあたえたいというのであれば、遺言を残す。
あるいは、養子縁組を組むということも必要となります。
今回は離婚率の上昇に伴う今後の相続の問題について考えてみました。
相続は家族生活ときってはきれないものです。
自分の現在の状況をきちんと把握してどのような問題が起こりうるか一度検討してみてください。
まずは、今自身が亡くなった時に相続人がだれになるのか。
財産はどれくらいになるのか。
それを誰に、どのように使ってもらいたいのか。
いろいろと想像してみることが大切です。