今回のブログでは、わたしがこのブログを開設しようと思ったキッカケなどを書かせてもらおうと思います。
プロフィールにも書きましたが、まずは簡単に自己紹介を…
わたしはメガバンクに勤務している30代の銀行マンです。
現在は相続に関係する部署に所属しているので、日々相続の相談に来るお客様に対応しています。
そんな、相続に関してプロであるわたしが、相続に関する正しい知識をお伝えしようと開設したのが本ブログです。
相続は難しい
わたしが本ブログを開設した理由の1つは、「相続は難しいことが多いから」という理由です。
みなさんは「相続」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
恐らく、被相続人(亡くなった方)の資産をどうするか?遺言書はあるか?などが思い浮かぶと思います。
実はそれだけではなく、相続に関しては以下のようなことを考えなければいけません。
・そもそも生前贈与を考えるべきかのか?
・不動産はどのように相続するのがベストか?
・そもそも誰に相談すれば良いのか?
・相続人(相続する人)はどうやって特定すれば良いのか?
このように、相続が発生したとき…もしくは生前の間に考えなければいけないことがたくさんあります。
悩みはたくさんある
また、相続に伴い「行うべきこと」もあるので、相続に伴い色々悩みを抱えるものです。
代表的な例でいうと…
・自分が亡くなる前に生前贈与した方が良いのか?
・不動産を相続したが売却した方が良いのか?相続する兄弟で共有した方が良いのか?
などが挙げられるでしょう。
いずれも、わたしたち銀行マンだけでは解決できないこともありますが、そのときは税理士や司法書士などと相談しながら悩みを解決していきます。
いずれにしろ、相続が発生することで「行うべきこと」はたくさんあり、それに伴い「悩み」もたくさんあるのです。
気持ちが落ち込んでいる
そして、相続が発生しているということは、残念ながら大切な誰かが亡くなっているということです。
わたしが対応させていただいたお客さまの中にも、大切な人が亡くなり意気消沈している人はたくさんいました。
そのような状況で、先ほどいったように「行うべきこと」「悩み」をたくさん抱えることになるので、わたしの立場からは少しでも負担を和らげることができないかと日々考えています。
これが、わたしが本ブログを立ち上げた理由の1つです。
相続に関する正しい知識を得られない
また、対応したお客様の中には、相続に関する正しい知識を得ることができない…と悩んでいる人も多くいました。
もちろん、相続は自分達だけ全ての手続きを完了させることは難しいので、専門家に相談するケースが大半です。
しかし、相続方法などを自分できちんと判断するために、本を買ったりネットで調べたりする人は多くいます。
本を一冊読むのは大変
相続に関する知識を得るために最も多いのは、相続に関する本を読むことです。
しかし、本を読むといっても、そんな簡単に読める内容ではありません。
たとえば、遺言・生前贈与・法定相続人・路線価・登記…のように、相続は聞きなれない言葉がたくさん出てきます。
また、突然亡くなったのであれば本を読む時間もないです。
そもそも、本を読んで相続について勉強しようという精神状態でない場合も多いでしょう。
ネット記事は玉石混合
ほかには、ネットで「相続 方法」「相続 遺言書」などと検索すれば、相続に関するたくさんの記事が出てきます。
もちろん、その中には質の高い記事もありますが、ほかの記事を焼き増ししたような内容の薄い記事も多いです。
Googleも万能ではないので、質の高い記事を上位に表示させるとは限らず、記事の中には明らかに実務経験がない人が書いたような記事もあります。
そのため、ネット記事は本を読むよりも手軽ではありますが、玉石混合なので質の高い記事にリーチすること自体が難しいといえるでしょう。
弁護士や司法書士は敷居が高い
そして、最後に弁護士や司法書士に相談する…という方法です。最終的には、弁護士や司法書士のような専門家に相談するケースが大半ですが、やはり敷居が高いのも事実です。
普通に生活していれば、弁護士や司法書士と触れる機会はほぼなく、特に弁護士は相談料だけで何万円もかかるのでは…と思う人もいるでしょう。
だからこそ、まずは身近な「銀行」に相談していただけるのですが、やはり銀行では対応できる範囲に限界があるのも事実です。
このような背景もあり、少しでも相続についての正しい知識を得てもらうために、相続に関する実務経験を積んでいるわたしがブログを立ち上げたというわけです。
もちろん、弁護士や司法書士の方には、相続の知識面では及びません。
しかし、相続でお悩みの人が一番聞きたいことは、「実際どんなことをすれば良いの?」という点です。
この点であれば、逆に弁護士や司法書士の方よりもわたしの方がたくさんのケースを対応しているので、みなさんのお力になれると思います。
相続で不動産を売却した話
さいごに、わたしが相続に関して体験したエピソードを紹介させてください。
このエピソードで言いたいことは、相続の方法によって相続人の方の幸せは変わるということです。
不動産を相続した息子さんたち
今回のお話は、不動産を相続した3人の息子さんの話です。
仮に、Aさん・Bさん・Cさんとさせていただきます。
この3人は全員40代の方々であり、それぞれ家庭を持っていました。
小さいころにお母さまを亡くしたことで、お父さま一人で息子さん三人を育てたという家庭です。
そんなお父さまが、残念ながらご病気で亡くなられたことがきっかけで、銀行に相談をしにいらっしゃいました。
仲の悪い息子さんたち
そもそも当銀行に相談へ来た理由は、お父様が当銀行をメインバンクにしていたからです。
しかし、話を聞いてみるとお父様は自宅を所有しているため、不動産も相続する必要があるとのこと。
息子さんたちは、「父の思い出もあるので残しておきたい」という意向なので、共有で相続する予定でした。
しかし、少しだけ対応したわたしの目から見ても、この3人は明らかに仲が悪い様子…。
特に、長男のAさんと次男のBさんは目も合わせないので、三男のCさんと主に話をして2人がそれに対して同意をしたり否定をしたりする…という感じでした。
不動産の売却を促す
そんなとき、Cさんから「不動産を共有名義するときに何かデメリットはないか?」と質問を受けました。
不動産を共有名義にすると、名義人全員が同意しないと売却や賃貸することができません。
そのため、仲が悪い相続人が共有すると、後々揉めるリスクがあります。
もちろん、そんなことをストレートに伝えることはできないので、遠回しに「共有名義だと後々面倒になる可能性がある」ことを伝え、売却するのが最も楽な選択肢である旨も伝えました。
わたしの経験上、仲が悪い状態で共有名義にすると将来的に揉める可能性が高いです。
しかし、相続のときはお互い顔を合わす機会も多いため、相続時に売却してしまえば比較的スムーズに売却できることを知っていました。
売却を決意して感謝していただく
もちろん、銀行マンのわたしが不動産を仲介することはできません。
そのため、実務的には銀行でやるべき手続きだけ案内し、不動産の件は保留のままCさん達はお帰りになりました。
そして、後日Cさんから連絡があり、結局お父さまが住んでいた家は売却することにしたようです。
悩んだ末ではあったものの、今回の相続を機に兄弟3人で話し合った結果、みんなが納得して売却を決断したとのこと。
すでに査定までしており、割と高い金額で売れそう…という話でした。
そして、今回お父さまの家をどうするか三人で話し合ったことで、AさんとBさんの仲も少しは良くなったとのことでした。
Cさんからは、そんなキッカケをもらったことを感謝されたので、非常に嬉しく思ったことを今でも覚えています。
相続の正しい知識を付けよう
今回お話したエピソードは一例に過ぎません。
しかし、もしあのご兄弟が「不動産を共有名義にすると後々面倒」というデメリットを知らなければ、10年後兄弟間で揉めていたかもしれません。
要は、相続に関する正しい知識を付けることで、相続人の方が幸せな選択ができるようになるということです。
本ブログはそんな一助になるような記事を書いていきますので、相続でお悩みの方は参考にしてください。